トワイライトゾーン




aトワイライトゾーン

「うちはゴキブリが一匹もおらんのだ」
「そんな馬鹿な、たいていの家にはいるぞ」
「いや絶対おらん」
「となるとゴキブリが好む生活臭が無いんだろう」
「生活臭?」
「一般的な生活をしていればゴキブリは存在するものだ」
「くそー、うちだって人並みの物を食ってるぞ」
「お前の家は全て消化して残り物を出さないだろう」
「…云われてみれば・・・この野郎生ゴミは出すわい」
「あのな、ゴキブリは超音波を嫌うそうだぞ」
「するとそれかなー・・・うちの婆さんは時々ヒステリーを
おこしてわめくからなー」
「あーあれか、俺の家にも酷い声が聞こえるぞ」
「そう、あれは耳にキーンとくるな」
「それだったか・・・安心した」
「・・・・・・・」

男の哀愁を漂わせるのだ




a大利根無情

「利根えーえーのー、利根の川風よしきりのー・・・」
「おー、えーど、えーど、大利根無情だな」
「それで何でそんな歌なんだ?」
「この中洲のかやを見ていたら頭の中に浮かんだんだ」
「ふん、わしは以前平手造酒だった・・と云うよりましだな」
「あれはヤクザの用心棒をして縄張り争いで死んだんだぞ」
「うん、何処かの藩士だったとか御家人だったとか」
「一番有名なのは千葉道場の免許取りだったという話だ」
「それが酒の失敗で落ちぶれていくんだろ」
「人の浮き沈みは今も同じよ」
「じゃあお前はこれまで一度でも浮かんだ事があるのか」
「無い、戦時中も二等兵止まりだった」
「なーんだ、しょぼい人生だな」
「しかし平凡な人生と濃く生きパッと散るのとどっちがいい」
「どっちと云われてもなー」
「だが平手造酒のように浮世にさらされた人間は哀愁が漂うな」
「だから飲み屋では横顔ばかり見せているんだろ」
「えっ、なんで知っているんだ」
「俺もやってるからな」

母性本能を刺激する




a母性愛を刺激する

「どうした、犬の写真なんか持って?」
「ヒ、ヒ、ヒ、これはわしの秘策である」
「あれ、一匹は猫じゃないか」
「そこだ!よく見つけたな。この写真は母性愛を示しておる」
「ははー、猫が入り込んでもいーよ、いーよと云ってるんだな」
「これで紙芝居でもするのか」
「違わい、これをバアさんにさり気なく見せると・・・」
「見せると・・・?」
「犬でさえこんなに優しいのにわたしは・・・と思うだろうが」
「ははあ、失った母性本能を刺激するんだな」
「そうそう、結果的にわしの扱いが良くなる」
「姑息な策略だな」
「しかしあの婆さんがその手に乗るかなー」

表情は万国共通




a表情

「人の表情は万国共通だな」
「そうかなー、それは誰かが調べて証明できるのか?」
「赤ちゃんの無垢な笑みは人を幸せにするぞ」
「そんな事じゃなくて、普通の人間はそうではあるまい」
「そうだ、怒っていながら笑っている奴もいるだろう」
「何のためにそんなややこしい事をするんだ」
「人の表情は何も云わずともほぼ全ての感情を伝達できる」
「じゃあ外人とのコミニーションできるってか」
「それはあやしいなー」
「たとえばお前の今の顔は貧祖だろ、だから何かを欲しがってる」
「当たりだ…ば、馬鹿言え!何もいらんわい」
「人の考えている事を読めたら便利だろうな」
「嫌だぜそんなことになったら」
「実はわしはじーっと見たらそいつの考えてる事がわかるんだ」
「・・・・・・」
「みんな何で横を向くんだ・・・」

この青い花だって




a青い花

「何をみているんだ」
「この花は元は白だったかもなー・・」
「花の色が変わるのは珍しくなかろう」
「ふん、そう簡単に云うお前は何も分かっとらんのだ」
「例えばアジサイの花の色はは土壌に影響をうける」
「人間も同じだと云いたいんだな。当然だろう」
「皇族に生まれた人間と、生まれてすぐに捨てられた
人間の運命は最初から違うんだ」
「おそろしく極端な例だなー。ふむお前自身不満があるんだな」
「売るほど溜まっている」
「しかしお前をみるとその不満がエネルギーになっているような」
「少し分けてやろうか」
「俺は手持ちの不満だけで十分だ」
プロフィール

シンとケイ

Author:シンとケイ
年寄ゴジラへようこそ!
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同ということ
で残り時間を有効に
とばかり夫婦揃って好きな
事をして過ごしています。
家内は手芸、リメイク、旅行
私は水彩画、ウォーキング、
自炊.それと
オリジナル小説作成等を
やっています。
どうぞよろしくお願い
いたします。

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