ハイタッチ 、イェーイ




aハイタッチ

「ハイタッチ、ハイタッチ、イェーイ、やったー!」
「よかったねえ爺ちゃん」
「おーありがとなー。やっと正当な権利を認めてくれた」
「孫ちゃんが調停してくれたんだね」
「そうなんだ、孫の世話になるとは思わなんだ」
「婆ちゃんも孫には弱いんだなー」
「そう、風呂に入るのはわしが最後で、おまけに掃除させられたんだぞ」
「ふんふん」
「男としての矜持が許せんかった」
「でも元をただせば・・・・」
「みなまで云うな、婆さんのへそくりをちょろまかした
わしが悪いんじゃ」
「人間って大変だね」

雪が降ってきた




a雪が降ってきた

「爺ちゃん、雪が降ってきたで」
「ほんまじゃなー」
「そろそろ帰らないかい」
「うー・・・そうだなー」
「帰って炬燵で暖まろうよ」
「む・・・・・」
「何かあったの?」
「お前には云ってなかつたがな、ゴニョ、ゴニョなんだ」
「あーっ、またやっちゃったのー」
「そうなんだ、だから敷居が高くてなー・・・・」
「敷居が高いなら縁の下に潜るかい」
「一緒にいてくれるか・・・・」

透き通るような花




a蝋梅

「早いなー、もう蝋梅が咲いとる」
「うれしいな春はもう近くにきとるんだ」
「香りもいいし、この透き通るような感じがいい」
「美しい、まるでサヤカママのようだ・・・」
「おまえメグミに通ってたんだろうが」
「あそこには行けないんだ」
「クァ!つけが溜まってるのか」
「どいつもこいつもそんな話をしとるんじゃない!」
「・・・・・?」
「わしらは冷え切った冬を引きずってはならんのだ」
「ならどうするってんだ」
「いまこそ老人パワーを発揮すべきなのだ」
「やはりそこにいくかー」
「何が軽減税率じゃ! 騙されてはなりませぬぞ皆の衆!」
「おー、えーど名主様」
「ところでサヤカママは駅前のマンションで一人暮らしだ」
「話がかみ合わんなー・・・」

理不尽な出来事




aa理不尽な出来事

「あのな、いつも不思議に思うんだ」
「何の事だ」
「たとえばわしが車を洗うと必ず黄砂入りの雨が降る」
「偶然だそれは」
「レジで並ぶと必ずわしの列が遅くなる」
「いいじゃないか、それくらい」
「しかしな、曲がりくねった人生で何度も人智を越えた
何かに操作されたような気がするんだ」
「それにな歳をとり今はここに落ち着いているが、これまで
どれだけ人生の転機があったか」
「そのきっかけにおいて自分のとった行動を思い出すと、
何で阿保なことをやったか・・・と悔やまれる事が多々ある」
「それはトラウマだな」
「違うんだ、それが本当に自分の意志だったのかと考えるんだ」
「そうか不思議だな。俺もこの歳になって同じような事を
考えるようになった」
「わしだってそんな経験がぎょーさんある」
「うん、それらは何かの悪戯のせいじゃないかってな」
「・・・・うーんそんな存在がいるかもしれんなー」
「怖ーい・・・・」
「わーっ!」
「ギャーっ! この野郎脅かすない」

よく生きよ




aよく生きよ

「おっ、大長老、お久しぶりでございます。相変わらずお元気そうで」
「ん、お主らも息災そうでなによりじゃ」
「いまの世はどうなっておるかね」
「先の大戦から大して変わっておりません」
「ん、それは重畳であるな」
「お隣のご婦人はお孫さんで…?」
「いや、これは5人目の嫁じゃ、ははは」
「だはー!」
「長老、わしらはこの先どのように生きればよろしいのでしょう」
「なに、難しく考えることはない。人間は寿命を全うすることが
唯一の使命である」
「はあはあ・・・・」
「その他のことは些細なことなんじゃ」
「それで良いので・・・・」
「そう、よく生きよ。それだけじゃ、ではな」
「あー、行っちゃった」
「しかし達者だなー」
「慶応の時代から生きておられる尊いお方だからな」
「まったく信じられんなー」
「わしらは鼻たれみたいなもんだな」
プロフィール

シンとケイ

Author:シンとケイ
年寄ゴジラへようこそ!
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同ということ
で残り時間を有効に
とばかり夫婦揃って好きな
事をして過ごしています。
家内は手芸、リメイク、旅行
私は水彩画、ウォーキング、
自炊.それと
オリジナル小説作成等を
やっています。
どうぞよろしくお願い
いたします。

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