有為転変




a豆の花

「世の中の動きがなんとなく忙しいなー」
「お前でもわかるか」
「この間まで北爆のカウントダウンなんて云ってたのによ
こんどは仲良く会談だって」
「国内だって支持率が安定していた内閣がいつの間にか
土俵際だ」
「有為転変は世の習いよ」
「誰が首相になろうと世の中が変わる気配はないしなー」
「お前ら!そんなことでどうする!」
「どうするつて?」
「他人に頼るなってんだ。お前らの夢に向かって行動せい!」
「そうだ! わしらの夢は特養に入ることだ」
「・・・・」

桜餅




a桜餅

「この間は酷いものを飲ましてくれたなー」
「あー俺のブレンドした野草茶か・・・あれから身体の
具合はどうだぃ」
「もうわしらを実験台にするなよ」
「それでな、これは高知に行った時の土産の桜餅だ」
「・・・・」
「心配するなよ、もうわしが食った」
「そうかー、じゃあごちになるか」
「ちょっと待った!」
「な、何だ・・・」
「桜の葉を取ってどうする。そのまま食うんだ」
「うるさい奴だなあ。どう食おうといいじゃないか」
「葉っぱは塩漬けしたものだから餡子とマッチして美味いんだ」
「葉っぱぐらいなんだ・・・」
「おまえ香りを嗅いでみろ」
「んーん、いい香りがするな」
「そうだろ、においが強い大島桜の葉が使われているんだ」
「へぇー・・・」
「分からん事があれば何でも訊きたまえ」

歌声喫茶




a黒い瞳の

「黒い瞳の若者が~」
「しーっ、大きい声だなー 、何だよ」
「ロシア民謡だ。お前だって行ったろう歌声喫茶へ」
「あー懐かしいな。あれの最盛期は1950年代だったな」
「いまはカラオケが普及したから無くなったろ」
「いや小規模でやってるぜ」
「アコーデオンやピアノの伴奏でな。それに歌声リーダー
なんてのもいたぞ」
「そうよ、みんな歌集を持って歌ったな」
「なぜかロシア民謡が多かった」
「わしが思うにあれは民青が一枚かんでたせいだ」
「赤いやつらだな」
「奴らの言うことは現実離れしてたからなー、染まるやつは
少なかったんだ」
「わしは集団就職で都会に出てきたからみんなで歌うのは
ハイカラな気分になって好きだった」
「じゃあ御要望にお応えして次は赤いサラファンでも歌うか」
「いーけど声を出さずに歌えよ」

そこの罪人たちよ!




a聖人

「汝ら罪人たちよ、わたしの話を聞きなさい」
「くわー! どうしたんだその恰好は?」
「信じる者は救われるのです。まずこの富くじを買いなさい」
「また金に困ってわしらを騙そうとしてるな」
「そうだ、そんなもの勝手に販売すると捕まるぞ!」
「わたくしに怖いものはありません」
「お前が富くじの発行者になるのか」
「そうよ、いや、さよう、神社や寺でもやっております」
「それは300年以上も前のことだぞ」
「そのような些細な事は気にしないことです」
「第一外れたら苦情が出るぞ」
「当たるとは申しておりません」
「全部外れ籤か・・・・」
「やい、買うのか、買わねえのか!」
「正体を現したな・・・」
「ねーねー君たち頼むから買ってよ」
「・・・・・」

スケボーをやるぞ




aスケボー

「スケボーでこの遊歩道を走りたいな」
「止めとけ、ご近所の噂になるぞ」
「噂? そんなもんに年寄は負けんぞ」
「そうだ、わしらがスケボーをやって何が悪いんだ」
「まあ悪かーないが、第一身体がついていかんだろう」
「何を! 軟弱者め。戦闘訓練を忘れたのか」
「戦闘訓練? いつ頃の話だ」
「練兵場でしごかれたのをもう忘れたのか?」
「80年以上も前の事だろう、それは」
「体が覚えているはずだ!」
「そんな無茶な・・・」
プロフィール

シンとケイ

Author:シンとケイ
年寄ゴジラへようこそ!
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同ということ
で残り時間を有効に
とばかり夫婦揃って好きな
事をして過ごしています。
家内は手芸、リメイク、旅行
私は水彩画、ウォーキング、
自炊.それと
オリジナル小説作成等を
やっています。
どうぞよろしくお願い
いたします。

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