汲々自適




a汲々自適

「さえん顔をしているなー」
「なに、家の事よ」
「ははあ、また家のもめ事か」
「一緒にするない。家の屋根や壁が古くなったが
リホームする金が無いってことよ」
「たしかにボロいなー」
「まあそんな悩みが無ければ家庭菜園なんかもやってるし
悠々自適なんだが」
「そうだなあ」
「そうか、お前も汲々自適か。なんか安心した」
「わしは違うぞ」
「お前だって貧乏だろう」
「わしは悩みなんか感じた事が一切ない。ハヒフヘホーだ」
「そうなるのも嫌だなー」

バランスが大切だ




バランスボール4

「おーい、どうしてる?」
「なんだ、お前か」
「くそ暑いからどうしてるかなと思ってな」
「こういう時は孫と遊ぶしかない」
「それでドタバタ音がしていたのか」
「そう、テレビを見ながらこれをやると結構運動になるんだ」
「何なんだこの風船は?」
「バランスボールだ」
「へえー、使ってみていいか」
「おう、いいよ。だけど転ぶなよ。だめだめ上に立ったりしたら。
年寄が転ぶとえらいことになるぞ」
「大丈夫、人生はバランスが大事なんだ」
「ほうほう、めちゃ上手じゃないか」
「このバランス感覚でのらりくらりと世間を渡ってきたんだ」
「そうなんかー・・・」

贅沢をしているんだぞ




a子供の目

「貧乏なお爺さんたちこんにちはー」
「おう、よう挨拶できたな、偉い偉い」
「莫迦、感心するな。おちょくられてるんだぞ」
「だってママが云ってたよ。あの人たちは貧乏だから
ずっとここにいるんだって」
「チェッ、余計なことを」
「しかし子供達にまでそう思われるのは癪だなー」
「子供は純真なんだ勘弁してやれ」
「まあ、世間の目なんか屁とも思わん」
「そう、奴らは何もせんのが贅沢ということを知らんのだ」
「わしらは贅沢してるのか」
「そうよ」

蚤はどうしてる




aノミはどうした


「今の連中は蚤なんて知らんだろうなー」
「あんなもの知らん方がいい」
「戦後わしらが外地から引きあげた時には進駐軍から
DDTを頭からまかれた」
「蚤や虱なんか今は犬か猫しか持っとらんだろう」
「昔は普通に家にいて家族みたいなものだった」
「家族はないだろう」
「蚤なんか薄っぺらい身体をして跳躍力が凄かったなあ」
「爪で潰すとプチッと音がしたもんだ」
「止めようぜそんな話は」
「そうかー、あいつら今頃どうしてるかなー」
「知らん!」

遊断大敵




a河釣り

「歳をとっても遊び心を忘れてはならん」
「そうだ! 難しい顔をしているだけが能じゃない。
遊断大敵だな」
「そうかー、おれはまあそこそこ人生を楽しんでるが」
「楽しむかー、響きはいいな。じゃあ何をやってるんだ?」
「俺か、俺は川釣りをやっている」
「釣れるのかこの川で?」
「色んなのが採れる。鯉、ヘラブナ、ブラックバス、ハヤ、
ウナギに川エビ・・・・」
「それを食うのか?」
「あたぼうよ!鰻のかば焼きは美味いと云っていた」
「川エビの天ぷらかて美味いらしい」
「ブラックバスの刺身も美味いと云っていた」
「・・・・? 自分じゃ食わんのか?」
「あんなもの俺は食わん。家のものに食わせるのが趣味だ。
食べさせて様子を観察するんだ」
「なんか魂胆が根暗な遊びだなー」
プロフィール

シンとケイ

Author:シンとケイ
年寄ゴジラへようこそ!
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同ということ
で残り時間を有効に
とばかり夫婦揃って好きな
事をして過ごしています。
家内は手芸、リメイク、旅行
私は水彩画、ウォーキング、
自炊.それと
オリジナル小説作成等を
やっています。
どうぞよろしくお願い
いたします。

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